・海外で仕事を見つけるのって難しそう
・フィリピンで働いたら、どれくらい給料をもらえる?
「移住」「フィリピン移住」と言うと、仕事をせずにゆったり暮らす。そんな響きがありますが、フィリピンで暮らすために仕事を見つける方も多くいます。貯金があって働く必要がない。趣味がたくさんあるので、仕事をしなくても生活を楽しめる。そんな方はフィリピン移住をしている方でもむしろ少数ではないでしょうか。
この記事で具体的に紹介していきますが、フィリピンで仕事を見つけて働くことは、そんなに難しいことではありません。
私は2018年にフィリピン移住し、4年が経過しようとしています。これまで2つの日本企業で働いてきました。この記事では、私の経験も踏まえ、フィリピン移住を実現する働き方と仕事の見つけ方を解説していきます。
・フィリピン移住を実現する5つの働き方の選択肢
・フィリピンでの4つの仕事の見つけ方
・フィリピン移住にかかる費用と生活費
・フィリピンでよくある仕事と給与水準
フィリピン移住を実現する4つの働き方とは?
フィリピンへ移住するための働き方にはこちらの5つがあります。
2) 日本企業のフィリピン支社で採用され、「現地採用」としてフィリピンで働く
3) フリーランスとしてリモートワークをする
4) フィリピン企業や外資企業で働く
5) インターンとして働く
それぞれ解説していきます。
日本企業の日本本社で採用され、海外駐在としてフィリピンで働く
今回ご紹介するなかで最も待遇の良い働き方です。
外務省の「海外進出日系企業拠点数調査」によれば、フィリピンに進出している日系企業は2022年10月時点で1,377社。そうした会社では、日本本社との円滑なコミュニケーションや現地フィリピン人のマネジメントなどの理由から、多くの日本人が必要とされています。
ここで紹介する「海外駐在」は、次に紹介する「現地採用」と採用形態が異なります。海外駐在では、日本の本社で採用され、フィリピン支社に出向という形式をとります。「現地採用」では、日本企業のフィリピン支社で採用されて働くことになります。
・日本の本社で採用されてフィリピン支社に派遣
・任期を終えると、フィリピンから日本に戻る、あるいは別の国に赴任となる
・給与は一般に日本で働くより高い
・ドライバーと車が支給、家賃が補助されるなど、待遇が良い
・ビザや住居など、移住の準備は会社から最大限のサポートが得られる
・渡航にかかる費用は基本的に会社が負担してくれる
・英語力に加え、マネジメント経験やテクニカルスキルなど、経験値が求められる
・ポジションゆえに責任が伴う仕事が多く、決して楽ではない
・求人は限られており、就職難易度も一般的に高い
・ビズリーチ、dodaなどの転職エージェントで求人を確認できる
日本企業のフィリピン支社で採用され、現地採用として働く
日本企業で働く2つ目の選択肢が「現地採用」です。フィリピンで職を得るために最も難易度が低い働き方です。
同じ企業でも海外駐在か現地採用かで働き方と待遇が異なります。業務量は「海外駐在」の人と変わらないのに、待遇は大きく下がるという場合もあります。現地採用の良さは、基本的に自分が臨む限り、その会社、フィリピンに居続けられることです。
・日本で働くよりも給与水準が低い
・最低でもTOEIC 500程度の英語力があることが望ましいが、英語力がなくともなんとかなる
・労働ビザは就職先の企業を通じて発行される
・他国で就労ビザ要件とされる最低限の社会人経験や年齢などの条件がない
・マニラ首都圏のほか、セブの求人もある。それ以外はほとんどない
・移住および就職にかかる費用は自己負担となる
・doda、リラコーエンなどの転職エージェント、カモメアジア転職、マイナビグローバル転職などの転職サイトで求人を見つけられる
フリーランスとして働く
より自由な働き方を求めるのであれば、フリーランスとして働くという方法があります。いわゆるノマドワーカーです。「フリーランス」と言うとハードルが高く聞こえるかもしれませんが、リモートワークが可能な業務を受託することで、フィリピンにいながら収入を得ることができます。
とくにコロナウイルスの感染拡大以降、リモートワークが可能な求人が増えています。クラウドワークスやランサーズといったサイトだけでなく、以下のようなサイトでもリモートワークを探すことができます。
・時間や場所に縛られないので、マニラやセブなどの都市圏以外でも働ける
・都市圏を避けることで、生活費をさらに下げることができる
・日本企業から円で給与を受け取る場合、フィリピンの就労ビザが必要ない
・フィリピンの観光ビザで最大36ヶ月まで滞在可能
・観光ビザでも賃貸可能な物件が多い
ウェブマーケターやライター、 プログラマーだけでなく、特別なスキルがなくとも、リモートワークの求人を見つけることが可能です。
フィリピン企業や外資企業で働く
日本企業ではなく、フィリピンの企業や外資企業で働く選択肢もあります。英語に自信がある、日系企業ではなく、外資企業で働いてみたい、という方は挑戦してみると良いと思います。
外資企業であっても、日本人顧客がいる、日本の関連会社とのやりとりが必要、などの理由から、日本人の従業員を求めている会社もあります。
インターンとして働く
学生や新卒の方であれば、インターンとして働くという選択肢もあります。
日本人が経営する英会話スクール、デジタルマーケティングの会社、メディア企業などでインターンの求人があります。駐在や現地採用の案件と同様、マニラとセブに多くの求人が集中しています。
こうした求人では、高い給与は期待できませんが、住居込みなどの条件で募集をかけている場合があります。
4つの働き方をご紹介しました。1つの働き方に捉われず、日本企業やフィリピン企業で働きながら、副業している方も多く見てきました。フィリピンに移住することで、自由度と選択肢の幅が増え、キャリアを充実させることもできるはずです。
フィリピンの仕事の見つけ方
フィリピン移住を可能にする働き方が分かったところで、仕事の見つけ方をご紹介していきます。
1) 転職エージェントに登録して求人を見つける
2) 転職サイトで仕事を見つける
3) 興味のある企業に直接問い合わせてみる
4) リモートワークが可能な日本の仕事をウェブサイトで見つける
転職エージェントに登録して求人を見つける
転職エージェントは、キャリアカウンセリング、求人紹介、応募書類や面接のサポートなど、転職活動にまつわる支援を得ることができます。転職エージェントと転職サイトは一見違いが分かりにくいのですが、転職サイトでは、こうしたサポートが受けられないことが多いです。また、転職エージェントでは非公開の求人が多くあり、転職エージェントに登録して、マッチングなどを考慮して紹介してもらえます。
転職エージェントは、求人の募集元の会社から手数料を得ることで成り立っていますので、エージェントや担当者によっては押しが強いことがあります。一方、転職を実現するための支援をやってくれるのも事実です。そうした利害の特性を踏まえ、とくに初めて転職、海外転職をされる方は、転職エージェントをご利用することおすすめします。
・ハイクラスの転職を狙うならビズリーチ
・駐在と現地採用の両方を扱うdoda
・サポートが充実しているリクルートエージェント
・現地採用でサポートを得るならリーラコーエン
・大手パーソルグループのパーソルフィリピン
参考>>【2023年版】フィリピンの仕事が見つかる転職エージェント13選
転職サイトで見つける
転職サイトは、転職エージェントと異なり、自分で情報を探し、応募をすることになります。転職エージェントのようなサポートは期待できない一方で、登録してすぐに案件を検索できることの手軽さがあります。
2022年11月30日時点で、例えばカモメアジア転職では114件のフィリピンの求人が、Abroaders Careerでは45件の求人を簡単に探すことができます。転職エージェントのように非公開の求人はありません。
・求人数が最も多いカモメアジア転職
・外資系やフィリピン企業を見つけるならIndeed
・求人数はカモメアジア転職に次いで多いAbroaders Career
・大手マイナビグループのマイナビ転職グローバル
企業に直接問い合わせてみる
特定の会社、業界、職種などで働きたい方は、企業に直接問い合わせてみることも選択肢の1つです。
転職活動は、転職エージェントや転職サイトを通じて仕事を探すことが一般的です。それでも、次の理由から、直接問い合わせた方が良い場合があります。
企業が転職エージェントや転職サイトを通じて社員を雇用をする場合、安くない手数料を払います。企業が採用を検討していて、コミッションを払う必要がない直接応募で有望な求職者がいれば、採用する可能性は高まるでしょう。
また、日系企業でもフィリピン支社では、採用についてより柔軟に対応しているケースがあります。とくに規模の大きな会社では、転職サイトに求人を掲載していなくとも、採用する可能性があります。
リモートワークが可能な日本の仕事をウェブサイトで見つける
最後に、リモートワークの仕事の見つけ方です。クラウドワークスやランサーズなどが有名ですが、そうしたウェブサイト以外でも仕事を見つけることができます。
フィリピン移住を可能にする仕事の見つけ方をご紹介してきました。移住やフィリピンの仕事を探す、と聞くとハードルが高いように聞こえますが、様々な選択肢があり、決して難しいものではないと分かっていただけたと思います。
フィリピン移住にかかる準備費用と生活費は?
フィリピン移住を検討している方であれば、移住にかかる準備費用や現地での生活費が気になる方も多いと思います。準備費用と生活費が分かれば、これから仕事でどの程度稼ぐ必要があるか分かってくるはずです。
より詳しく説明していきますが、準備費用は20〜30万円、1か月の生活費は12〜20万円程度を考えておくと良いと思います。
フィリピン移住にかかる準備費用
ここでは、フィリピンへ就労ビザあるいは観光ビザで渡航することを想定します。
1) パスポート代 13,000〜18,000円
2) フィリピンへの航空券 30,000〜60,000円
3) 観光ビザ 7,000〜9,000円/月
4) 賃貸を見つけるまでのホテルやAirbnbの宿泊代 5〜15万円
5) 賃貸の敷金2ヶ月分 10〜20万円
観光ビザで入国する場合、帰国の航空券もとっている必要があります。出国前の空港カウンターとフィリピン入国時のイミグレーションで確認されます。
「海外駐在」あるいは「現地採用」として働く場合は、就労ビザが付与され、企業が負担する場合がほとんどですので、就労ビザの費用は考慮する必要がありません。観光ビザは30日を超えての滞在で、7,000円〜9,000円/月かかってきます。毎月イミグレーションでの手続きが必要になります。日本のエージェントを通じて手続きを進めることもできます。
その他に必要な費用としては、賃貸を見つけるまでの宿泊代と賃貸の敷金です。セキュリティデポジットと呼ばれますが、フィリピンでは多くの場合、月の家賃の2ヶ月分を預けることが標準です。仲介手数料は家賃に組み込まれている場合が多いです。
フィリピンでの1か月の生活費は?
私はマニラの中心部で一人暮らしをしていますが、毎月の生活費は約18万円、内訳はこちらのようになっています。日本の東京に住んでいた頃は、トータルで22万円ほどかかっていましたので、20%ほど安くなっています。他の日本人の方に聞いても、日本に住んでた時より20-30%安い、という方が多いです。
私は食事の5-6割が外食で、外食でも自炊でも日本食が中心なので、食費が他の方より高苦なっていると思います。また、マニラのBGCと呼ばれる外国人が多く住むエリアに住んでいますので、家賃も高めです。
マニラですと1人暮らしで12〜20万円程度で生活している方がほとんどです。セブやその他の都市になると、家賃が下がり、娯楽も少なくなるので、さらに生活費が下がることになります。
詳細な生活費はこちらのブログで紹介していますが、フィリピンでの生活費を知るための主な内訳の費用感をご紹介します。こちらの費用感は1人暮らしを想定しています。
・電気代 3,000〜8,000円/月
・水道代 500〜1,000円/月
・携帯電話の通信料金 1,000〜2,000円/月
・固定インターネット回線 4,000〜6,000円/月
(2023年11月時点 1円=2.6円を想定)
加えて、生活用品や食品の相場感もご紹介します。
・ビール 350ml 120円
・スターバックスラテ トール 380円
・ビックマックセット 540円
・一風堂のラーメン1杯 1,000円〜
・タクシー初乗り 120円
・映画館での映画鑑賞 500円〜
(2023年11月時点 1円=2.6円を想定)
フィリピン移住の準備費用と生活費について分かっていただけたと思います。
フィリピンでよくある求人と給与水準
移住の準備費用と生活費について分かったところで、フィリピンで働く場合の給与水準もご紹介させていただきます。
「海外駐在」として赴任する場合は、50〜100万円/月(額面)、日系企業で「現地採用」として働く場合は、16〜45万円/月(額面)が水準になると思います。加えて、フィリピンでは「13 month pay」と言って、最低でも追加1か月分の給与が支給されることが法律で決まっています。会社によっては追加のボーナスが出る場合もあります。
フィリピンの所得税も累進課税の制度が適用され、日本人の給与だと15〜30%程度の税金がかかります。
具体的な求人と給与水準を紹介します。
参考>>フィリピンで働きたい!フィリピンで働く方法とよくある求人を紹介
さいごに:移住前にプチ移住をしてみよう
フィリピン移住を実現するための働き方とその仕事の見つけ方をご紹介してきました。生活費と給与水準から、フィリピンに移住した場合に、家計がどのようになるか、想像がついたと思います。
しかし、聞き知った情報と、実際に現地に行った際に抱く印象は変わるものだと思います。私の場合、フィリピンは治安や衛生面に不安があり、発展していない国、という印象をもっていました。それも正しいのですが、マニラのBGCやマカティ、セブの中心部などは発展しており、良い意味で期待を裏切られました。逆に、交通渋滞や空気汚染など、住めないと感じる方もいるかもしれません。
日本から飛行機で4時間、コロナウイルスが収束に向かっており、以前よりずっと渡航がしやすくなっています。実際に移住する前に、1〜4週間ほどのプチ移住をしてみることをお勧めします。
私はフィリピンに移住して4年。仕事ではよりストレスのない働き方、プライベートでも自分の時間をより持てるようになり、充実した時間を過ごしてきました。一度きりの人生。みなさんもぜひ新しいことに踏み出してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。